Emotetは2014年に初めて確認されたトロイの木馬型マルウェアです。 当初はインターネットバンキングの認証情報を盗むバンキングマルウェアとして登場しましたが、 その後急速に進化し、他のマルウェアを配布するための「配送インフラ」として機能するようになりました。 Europol(欧州刑事警察機構)は「世界で最も危険なマルウェア」と評しています。
Emotetの最大の特徴は、その高い「多機能性」と「自己進化能力」にあります。 通常のマルウェアは単一の目的(情報窃取・ファイル暗号化など)のために設計されますが、 Emotetはモジュール型の設計を採用しており、攻撃者の目的に応じて機能を追加できます。
Emotetの感染は主に以下のステップで進みます。
Emotetの感染経路の大部分はメールです。その巧妙さは他のマルウェアと一線を画します。 感染した端末から盗んだ「実際のメールの会話履歴」を利用してなりすましメールを送信するため、 受信者が疑いにくいという特徴があります。
このように実在する取引先からのメールに見えるため、セキュリティ意識の高いユーザーでも騙される可能性があります。 日本でも2019年・2022年に大規模な感染拡大が確認されており、企業・官公庁・医療機関など広範な組織が被害を受けました。
Emotetは単独では動かず、感染後に以下のような危険なマルウェアをダウンロードします。 これが「マルウェアの配送インフラ」と呼ばれる理由です。
以下のツールや方法でEmotetへの感染を確認できます。
Emotetは単なるマルウェアではなく、組織全体を壊滅させ得る「攻撃プラットフォーム」です。 一度感染すると取引先や関係者にも被害が広がるため、感染前の予防が最も重要です。 特に「Officeのマクロを有効化しない」という習慣を組織全体に徹底することが最大の対策です。 Emotetは現在も活動中であり、新しい手口を取り入れながら進化し続けています。 最新の情報はJPCERT/CCやIPAの公式サイトで確認してください。